第2次大戦後、旧ソ連(現ロシア)から日本に戻れなかった日本人の話を描いた長編映画
「阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人」と「ちっちゃいサムライ 三浦正雄の少年時代」が2023年12月22日から2024年1月18日まで公開されました。


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第2次大戦後、旧ソ連(現ロシア)から日本に戻れなかった日本人の話を描いた長編映画「阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人」と「ちっちゃいサムライ 三浦正雄の少年時代」が12月22日から2024年1月18日まで公開されました。


 第2次大戦後、戦争捕虜としてシベリア(旧ソ連全土)・モンゴルに57万5千人が抑留され、5万5千人以上の人が亡くなりました。

 しかし、樺太等の地域に残された民間人の運命は軍人抑留者であるシベリアの軍人抑留者とは異なるものがありました。軍人としてではなくソ連の国内法、しかも第58条というどんな事にも適用できるスターリン時代の悪法が適用されたのです。

 捕虜としてではなく謂れのない罪でソ連当局に逮捕され、強制労働を強いられ、政治犯収容所や広大なソ連の僻地で行方不明になった人は2千人以上存在すると言われます。

 その中でカザフスタンには(日本政府が把握していただけで)約20名が送られ、ソ連崩壊の時まで生き残ったのはわずか4人でした。

 その4人のうち、阿彦哲郎(あひこてつろう)と三浦正雄(みうらまさお)の物語を映画化したのが「 阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人 」と「 ちっちゃいサムライ 三浦正雄の少年時代 」です。


「阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人」は旧ソ連諸国であったカザフスタンがスターリン時代の黒歴史であった抑留者の物語を「日本人の側に立って」製作し、「ちっちゃいサムライ 三浦正雄の少年時代」はカザフスタン、キルギスタンを含む中央アジアを代表するスタッフ、キャストの集大成なのです。

 残念ながら、阿彦哲郎は2020年6月にカザフスタンで、三浦正雄は2022年1月に北海道で亡くなっています。

 彼らが実在した人物である事がこの映画2作によって立証され、同時にロシアのウクライナ侵攻以降による様々な悲劇は、令和を生きる日本人にとって同軸上の出来事として歴史上の史実として知ることができます。

「阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人」は、戦後、樺太に取り残され、第58条によって謂れのない罪で逮捕され、“史上最悪”と悪名高いスターリンの政治犯強制収容所に同胞もいず、たった1人の日本人として放り込まれた阿彦哲郎が、「日本に帰って家族に会いたい」という執念だけを胸に秘め、生き抜いて収容所から釈放されるまでを描いています。

「阿彦哲郎は日本とカザフ友好の礎」と捉えるカザフスタン政府が、制作費300万ドル、製作期間3年、3000人のスタッフをつぎ込んで完成させた歴史大作です。

 阿彦哲郎役はキックボクサーでKNOCKOUT REDフェザー級王者の小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)さんで、本作が映画初主役です。


「ちっちゃいサムライ 三浦正雄の少年時代」は、終戦直後、疎開していた北海道から家族を探しに行った先の樺太で逮捕され、わずか14歳で日本から8,000kmも離れたカザフスタンに流刑となり、53年もの間をカザフで過ごした三浦正雄さんの物語です。

 世界でも珍しい淡水と塩水の性質を持つバルハシ湖及びイリ河を舞台に、後年、現地の自然保護官としても活躍した三浦の子供時代を描きます。  三浦少年役を、映画初主演となる佐野史将が過酷な撮影にもめげずに好演しました。


 2作共に、12月22日から、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開です。

 この作品を今はなき阿彦哲郎さんと三浦正雄さんに捧げたいと思います。

 お二人の望郷の思いは、令和に生きる我々日本人、のみならず世界中の人々が共有しなければならないと思います。


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